イメージ 商業音楽科 PAエンジニアコース卒業
井上さん
職種〈音響スタッフ〉

就職先:(株)大阪音響通信研究所(大阪音研)
西城秀樹さんなどのコンサート音響を担当。映像プランニングからオペレーションも手がける。愛知万博や、中国で開催された'07上海モーターショーなどのイベント音響も担当。また、大阪城ホールや大阪ドームなどのホール管理も行う。


ツアーでは、毎日が時間との勝負。 考える前に、体が動くこと。
OSM2年生の12月から、今で5カ月、研修として大阪音研で音響スタッフを担当しています。3月は、いろいろな歌手が集まったコンサートで、大阪・名古屋・福岡・仙台・北海道と全国5カ所のツアーをまわってきました。
主な担当は、マイクやスピーカなどのステージセッティングですね。学校でPAを学んできたものの、やはりプロの世界はスピードが違います。考えてから動いたのでは遅い。体が先に動かなければなりません。かといって、やりすぎてもダメ。ツアーでは、コンサート終了後、ステージの上でやってはいけない機材のパッケージ(梱包)までしてしまい、他のスタッフの方に迷惑をかけることになりました。つい、気持ちが先走ってしまったんですね。反省です。でも、スピーカのフライング(宙づり)など、今まで経験したことがない仕事をさせていただいたので、とても勉強になりました。地方ごとに、おいしい地元料理を食べられたことも、全国ツアーならではの楽しみですね(笑)。
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「きれいに、早く、仕込むこと」 心に残る、先生の言葉。
イメージ 高校2年生の時に観に行ったコンサート。アリーナの中心で、なにか機材を触っている人がいる。何をしているんだろう?それが、PAエンジニアという仕事との出会いです。調べていくうちに、そんな音楽の仕事をしたいと思いました。進路を決めるとき、両親に「音楽の仕事に就きたい」と相談したところ、「やりたいことを思いっきりやりなさい。その代わり、途中で決して諦めないこと」といってもらい、決心したんです。いろいろな学校のパンフレットを取り寄せ、体験入学にも行きました。そんな中で、OSMの機材がどこよりも整っていたし、何より、講師の先生方の雰囲気がとても良かったんです。
入学して、初めての大きなイベントは、NHKホールでの『明日への扉』。スピーカのあり得ない量に驚きました(笑)。でもあんなにたくさんのスタッフや出演者が集まって、イベントを創り上げることの楽しさを実感できたんです。その頃に、講師の石原先生がおっしゃった「セッティングは、きれいに、早く、仕込む」の言葉が残っています。見た目がきれいであれば、トラブルが発生したときに対処しやすい。今でも、そのことは心がけていますね。

仕事は、好き嫌いで選べない。だから、様々なジャンルの音楽を聴いて欲しい。
就職活動で悩んだとき、担任の津田先生に相談したんです。すると「大阪音研という会社を受けてみないか」と紹介してくださって。会社説明会を経て、面接を受けました。社長面接では、緊張で頭の中が真っ白。「あなたにとって“音”とは何ですか?」の質問に、音響面から答えるところ、一般の“音楽”のことと勘違いして「日常生活にあるものです」と答えてしまったんです。なぜか、「そこがおもしろい」ということで、研修が決まりました。
今の目標として、まずステージマンとして一人前になること。そして音響をもっと学び、モニター、メインオペレーターとステップアップしていきたいですね。今、現場では女性スタッフが増えています。確かに力ではかないませんが、人をうまく使っていくことで、女性でも問題なく活躍できますよ。
好きなアーティストのPAをやりたいという希望で、この世界を目指す人もいると思います。もちろんそれは「アリ」なんですが、できるだけ、いろいろなジャンルの音楽を聴いておいて欲しいですね。プロとして仕事を好き嫌いで選べませんから。もし、OSMに入学したのなら、できるだけイベントやコンサートに参加してください。早くからいろいろな経験を積むこと。スタートが違うと、やっぱり成長が違いますよ。
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