小さな頼まれ事から大きなプロジェクトへ
ディレクターへの道を、着実にステップアップ

北藤さんがOSMに入学した動機は、高校時代に注目していたアーティストに、OSM出身アーティストがいたという、比較的単純なもの。「他人が聞けば、少しミーハー的な理由に聞こえるかもしれませんが、好きだった映像の世界も学べる学校ということで、私にとっては自分の感性に忠実な進路選択でした。」そんな北藤さんだが、入学直後には、音楽映像制作コースで同時に経験できるカメラマンの仕事にも惹かれたことがあったという。「私の性格でしょうか、授業やいろんなプロジェクトを通じて、一緒に取り組んでいた先輩などから、いろいろな頼まれ事を引き受けるうちに、自然とプロデューサー的な役割を担うことが増えていったんです。最初はそれこそ小物を買いに走るような小さな頼まれ事だったんですが、最終的には外部のプロのアーティストのプロモーションビデオ制作ディレクターや編集を手がけたり、観客4200人を動員したOSM独自のミュージカル公演の映像チームのチーフディレクターとして5人のカメラマンやスイッチャーをディレクションするなど、大きなプロジェクトの仕事を任せてもらえるようになりました。」
北藤実千華
2007年3月 音楽映像制作コース 卒業
勤務先 オフィスぼくら

(『踊るさんま御殿 !!』『嵐の宿題くん』『太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中。』 などを制作するテレビ番組制作会社)


イベント・プロジェクトは目白押しプロの高くて厚い壁も経験

前述の外部アーティストのPV制作とは、ブリスクルー所属の『THEPINK☆PANDA』のプロモーションビデオのことで、北藤さんはその第1作と第2作の制作にかかわった。2作とも企画・ディレクション・編集に携わったが、ともに、プロの高くて厚い壁に突き当たったという。「1作目では、編集までは比較的スムーズにいったのですが、アーティスト側が要求する映像のセピア色の色調を出すのに、何度もNGをもらい苦労しました。また、2作目では、撮影終了から納品まで10日ぐらいしかなく、編集の段階で何度もNGをもらいました。ちょうどミュージカル公演のリハーサルなどと重なっており、5日ぐらい徹夜で編集に取り組んだのですが、最後はミュージカル公演の本番と重なって間に合わず、講師の先生に手伝ってもらい、無事納品。全部を完全に手がけられなかったのが、少々くやしい思いです。」この2本のPV制作の間にも、吉本興業所属のダンス&ヴォーカルグループ『OSAKA翔GANGS』のPVの企画制作を手がけるなど、北藤さんの学生生活は多忙を極めた。「ミュージカル公演でのチーフディレクターの経験は、その公演の規模の大きさもあり、ものすごく大きな達成感を感じると同時に、自信になりました。また、公演は全部で4公演あったんですが、すべての公演の試写会も実施して、出演者に喜んでもらえたのも印象的でした。」  
『THE PINK☆PANDA』2 作目の北藤さん お気に入りのシーンで撮影。 どの作品にも思い出がイッパイ詰まっている



プロジェクトに夢中で出遅れた就職活動
そんなハンディーも帳消しの一発就職

「実は、プロジェクトに夢中で学生生活を送っていたため、3月になって始めて就職活動を開始したんです。周りの先生方は、私が就職活動をなかなか始めないのでヤキモキしておられたそうですが、さすがに私も3月になって就職が決まっていないのは『ヤバイ!!』と思い、インターネットで以前から気になっていたテレビのバラエティー番組制作会社にアクセスしてみたんです。すると、その会社で求人募集していることがわかり、書類選考の時に、1年生の時につくった音楽バラエティーのDVDも送りました。そのおかげか、面接まで進むことができ、面接の時にも、その番組が『面白かったよ!』と言っていただけました。」面接では、TV業界の仕事の大変さを企業側から説明された北藤さんだが、いままでの学校での経験から、彼女はそんな業界事情にも動じない。結局、書類提出から就職内定まで、3週間足らずの間に、北藤さんは希望する企業への就職を決めた。「OSMへの入学時もそうだったんですが、自分自身が楽しみながら学んだり、働ける場所を探していたような気がします。TV業界はハードな職場だと覚悟をしていますが、それだけにやりがいも大きいだろうし、仕事のなかに楽しみを見つけ、一日も早く現場で活躍できるようになりたいです。」と笑顔で語ってくれた。。」  
「現場に出る日が楽しみです」と北藤さんる





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