音楽・ダンス・エンターテイメント業界とともに人材育成する学校

10年後、20年後 後悔しないために
音楽の道を選んだ

10年後、20年後 後悔しないために
音楽の道を選んだ

卒業生インタビュー

アレンジ&コンポーザーコース
(現 作曲&アレンジャーデビューコース) 2003年卒
コンポーザー
長谷川憲人さん

長谷川憲人

SOUND18 (サウンドエイティーン) 
https://sound18.com/

OSM卒業後カプコンに入社。『バイオハザード アウトブレイク』が初担当作品。
その後『デビルメイクライ3』および『デビルメイクライ4』のサウンドを製作。
また『ロックマンX』のPSPリメイク作である『イレギュラーハンターX』のアレンジ及び新曲の作曲を行う。
カプコン退社後は甲田雅人氏と共に『エルシャダイ』の作・編曲を担当。
『エルシャダイ』ではリードコンポーザーを務め「イーノックのテーマ」などを作曲。甲田氏の楽曲と共に高く評価された。

長谷川さんのされている仕事について教えてください。

ゲーム音楽を中心とした作曲を手がけています。今までに携わった作品は「バイオハザード」や「ロックマン」など、カプコンに入社後すぐに有名タイトルを担当させて頂きました。
この仕事をしていて嬉しい瞬間のひとつは、ゲームの最後に流れてくるスタッフロールで自分の名前を見たときです。自分の作品が世に出て、誰かに聴いてもらえている。特に初めて関わった作品で自分の名前を見たときは、涙が出るほど感動しましたね。
他にも、自分が担当した曲について、ネットで議論されている書き込みなどを目にした時も、誰かの感情を揺さぶる音楽を作ることができたんだと思い、作り手としてのやりがいを感じます。

学生時代で印象に残っていることはありますか?

周防義和先生や後藤次利先生、業界で仕事をされているプロの先生と、プロと同じ現場環境で学べたことですね。
なかでも特に印象的だったのが、1年生の時の周防先生の特別ゼミです。
映画音楽の課題制作があり、自分では意外とできた!と思ったものを提出したところ、みんなの前で酷評され……伝え口調は穏やかなものの、日本一の作曲家にここまで言われてしまったらもうダメだなと思い、ショックで2日間ぐらい何も手につかなかったですね。とにかく悔しくて悔しくて。それからは死に物狂いで必死に勉強しました。

それから半年後ぐらいに、同じように授業でリベンジするチャンスがあって。
その時はめちゃくちゃ褒めてくれたんです。後から先生にあの時のことを訊いてみると、「あれはわざと言ったんだよ。厳しく言ったらついてくるかなと思って」って。その瞬間、肩の荷が下りたような、そうだったのか、というか。

後藤次利先生にも本当に厳しく指導していただきました。
楽曲制作を通じて”生きた音楽”を教えていただいたのですが……時にみんなの前で泣かさるくらい厳しかったですね(笑)
後藤先生の楽曲を編曲させていただいたとき、音楽のことだけでなく、プロデューサーとしての現場の仕切り方、人の気持ちの動かし方まで教えていただき、感動したことを昨日のように覚えています。

こうやって振り返ってみると、成長する機会を与えて頂けたことに、今でも感謝しています。
あのときの経験は、今の自分の大きな礎となっていますね。

どんな学生でしたか?

今思えば尖っていましたね(笑) どうしても劇伴が作りたくて、声優コースや姉妹校に「劇伴を作らせてください」って直談判に行っていました。せっかく学びに来ているのだから、積極的に学んでやろうと常に心掛けていましたし、自分だけで何かを完結させるよりも、仕事として人から与えられるプレッシャーの中で、より実践的なことを求めていました。この学校は色んなコースがあり、それぞれが職業として成り立っていて、業界の縮図のようですよね。作曲コースの自分が作ったオリジナル曲を歌ってくれるヴォーカルコースの方がいるように、自分が考えて動けば必要としてくれる人がいる。フリーになった今も思うことではありますが、人とのつながりがないと仕事って成り立たない。それを学生時代に身をもって学べたことはとても貴重でした。

どうすれば“好きを仕事に”を叶えることができると思いますか?

自分の抱えている怖さに勝つことです。私自身、10年後、20年後、この業界でやっていけるのかという不安がずっと傍にありました。その不安や恐怖心に負けずに続けていくことです。あとはプレッシャーを楽しむこと。とは言え、楽しいと思えたのは半分ぐらいで、残りの半分は修行でしたね。日々修行でつらい時期もありましたが、好きだったから続けることができたと思います。相反するようですが、楽しくないけど、好きだった。続けることができた要因は好きだと思える気持ちが勝ったからではないでしょうか。

中学生や高校生、これから音楽業界を目指す方たちにメッセージをお願いします。

嫌いになる時がくるかもしれないけど、どうか嫌いにならずに音楽を好きでいてほしいです。
そのためには、たくさん勉強をして、音楽を知ることです。私も勉強してどんどん音楽の面白さの深みにはまっていきました。大切なのは、勉強する根性と苦しくなっても、嫌いにならない根性を持つこと。
好きであれば、大体のことは解決します。学ぶ意欲も出てくるし、苦しくてもやめない。
ぜひ、音楽を好きになってほしい。そこから何か見えてくるものがあるのではと思います。

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